アラフォー女子154cmがバイクの免許を取った話。

運動音痴のアラフォーがなぜか急に普通自動二輪免許を取りました。

アラフォー女子バイクの免許を取る②

2.教習所へ申し込みに

 

 すぐに教習所からパンフレットがとどいた。A4サイズの封筒で届いたそれは、持ち重りのするものだった。開いてみると情報量が多すぎてよくわからない。だいたい、車の免許を取りに教習所へ通っていたのは二十年以上前。電話をして相談することにする。その結果、何種類もあるコースは、VIPコースというものにすることにした。目的のためには125ccで十分だったのに欲をかいて普通自動二輪に。よく考えれば、なんでだ。

 これは、ふつうのコースに比べると四万円くらい高かったけど、待合場所が独立している、飲み物が飲み放題、ロッカーが待合室にある、専用コンシェルジュがいてくれる、お菓子の日がある、Wi-Fiが飛んでる、コンセントが使える、キャンセルしても無料、さらにさらに。のちのち、本当にVIPコースにしておいて良かったと心の底から思うわけだが、履修のやり直しにお金がかからない。これは大変助かりました。皆さんにもお勧めしたい、まじで。

 この時、六月。八月に試験を控える身であったので教習は九月からにしようと決め、実際教習所へ赴く。確か、土曜日に契約しに行ったのだが、その混み具合にびっくりした。広い待合室なのに、座る場所がないほど混んでいる。コロナ禍なのに、たくさん人がいる!当時緊急事態宣言中。申し込みに来た人もたくさんいて、全然順番が回ってこない。

   

 結局一時間ほど待たされた。事前にコースは決めていたので、ざっと説明をされ、契約書を交わし、お会計。YSPでもらっていた割引券と、資料請求についていた割引券と、三ヶ月後から教習開始ということで早割が効き、パンフレット掲載料金からだいぶ安くなったので、皆さんにも早め早めのパンフレット取り寄せをお勧めしたい。

 この日、すっぴん、ぼっさぼっさ、天然パーマの髪にストレートヘアアイロンを当てることもなく引っ詰めて、真っ黒いかぶるだけのワンピースという出立ちを大変後悔することになる。契約したらその場で速攻写真を撮られるのだ。そしてその写真は教習原簿に貼られ、のちのち教官に回覧されることになる。バッチリ気合の入った化粧とヘアスタイル、洋服で行くことをお勧めしたい。ちなみにこの写真は卒業検定合格後、卒業証明書と免許の書き換えの時の公文書にも使われる。ホント、最初に言っといて!

 軽く教習所内を案内してもらい、VIPルームの使い方もレクチャーされる。しかし、何度も言うがこの時六月。教習が始まるのは九月。三ヶ月も間が開く。覚えていられるわけない。この後これが初日キャンセルの波乱を呼ぶのである。

2.5教習前に買ったもの

 

 テンションが上がっていた。その勢いのまま、友人に車で東雲のライコランドへ連れて行ってもらい、レインコートとライディンググローブを購入する。

 ここで、身体のサイズを書いておこう。身長百五十四センチ。足のサイズ、二十二.五センチか二十三センチ。手袋のサイズは二十センチ。しかも両手とも小指が短い。小学生のときにドッチボールで突き指をしたら伸びなくなったのだ。

 背が低いなとか手が小さいな、とか思ってはいた。それで困ることは今まで全くなかった。今までは。バイクに乗るためには結構困ったことになるとこれから骨髄に徹するのである。トホホ。

 モットーは、「安全が金で買えるなら買いたい」だ。女性ライダー用のレインコートはグレーやボルドー、黒、という暗めの色ばかり。店員さんに目立つ色が欲しいというと、RS TAICHIの男性用レインコートSサイズの黒×黄色を持ってきてくれた。これは良い目立ち具合。即決。一万六千円也。胸周りと腰回りがきついが黄色には変えられない。

 そしてグローブ売り場にいくと、なんとなんと、手に合うグローブはひとつしかない。迷うまでもない。迷いたかった。もっと迷わせてよ。アルパインスターズのレディースXSサイズのメッシュ牛革グローブ。八千円也。この時、バイクに乗るにはお金がかかるんだなぁと実感し始めた。

 

 テンションが高かった分、心の底でプンスカしていた。全然選ぶ楽しみがない。女性ライダーの選択肢少なくないですか?男性用はあんなにあるのに。うらやましい!

 それに、購入したグローブはオールシーズンタイプの防水加工なしで、後々激しい雨の教習の日、漏水して来て洋服の袖がずぶ濡れになった。レインコートの意味とは。各メーカーの企画デザイン、バイヤーの方、防水タイプのXSサイズのグローブをお願いします!

3.ついにスタート

 

 やってきた、九月。八月の間に専用アプリで十一月までの予定を提出しておいて、スケジュールを立ててもらう。二十七日からスタートだった・・・が。

 申し込みの時、適性検査を受けないと実車はできないと言われていた。そして、適性検査は毎日十七時からだと。しかし、スケジュール表では十六時十分から①となっている。まぁ行けばいいでしょ、とのんびりしていたが、それは間違っていた。

 適性検査の予約というのはないのかなんなのかよくわからないけど、とにかく、コンシェルジュさんが慌てて適性検査に変えてくれ、初日はキャンセル、翌日を初日に振り替えてくれた。しょんぼりした。三ヶ月前が昔すぎて、初日の適性検査の予約の記憶は曖昧になっていたのだった。しかし、このフットワークの軽さもVIPコースならでは。コンシェルジュさんには今後も大変お世話になるのである。

4.ついに教習所日

 

 緊張していた。なにしろ、パニック障害持ちである。大好きなディズニーランドやシーでも乗り物に乗りたくないくらいなのだから。しかし、期待もあった。Twitterで同じくパニック障害を経験したフォロワーさんから、「バイクの免許を取ったら治った。」、今診ていただいている心療内科の先生からは「そういえば患者さんでもバイクの免許を取ったら治ったって言ってた人いたわ。」という話をされていたのだ。

 

 初日はモトクロスをやっていたというモトクロス先生。動く二百キロの鉄の塊が恐怖でしかなく、正直言って何をやったか全然覚えていない。連続二コマやった気がする。初回は連続二コマは決まりなんだそうだ。

 そこからは恐怖心との戦い。そして何度も言うがパニック障害持ちである。バイクに乗っていてパニック障害起こしたら死ぬから気合いで起こさないだけなのだ。まぁとにかく怖い。一コマ三回はコケた。一段階目の時は二コマまで取ることができるので一日六回は最低コケていた。時にはコースにガソリンをぶちまけた。時には自分も吹っ飛んだ。時には教官を轢きかけた。

 ここの教習所には教官指定という制度があり、1回目の教習終了の時にモトクロス先生が名刺をくれたので、これは教官指名をしろということかと思い、指名をしたのだが、きっとモトクロス先生は名刺を渡したことを後悔したことと思う。それくらい、落ちこぼれの生徒だった。

 家に帰るとプロテクターをしていたのにふくらはぎがアザだらけ。ちなみに当然倒したら一人では起こせない。モトクロス先生はいつも起こすのを手伝ってくれていたので、ひとりでも起こせると勘違いしていたことがのちのち、他の先生の教習で発覚するのであった。ちなみに免許を取得した現在でも起こせない。起こせるわけない。

 教習所では胴、肘、膝から脛、ヘルメットを貸してもらえる。軍手や、雨の日は雨ガッパも。レギュラーのコースは雨ガッパはお金がかかるらしいが、VIPコースは無料だそうだ。でももう自分のレインコート持ってるもんね!しかし、雨の日の教習は避けたい。なんなら使わないまま卒業したい。

 

 折れそうな心を抱えて家に帰る道すがらTwitterで泣き言を呟き、フォロワーさんに慰めてもらう日々が始まった。

 

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